居ない歴年齢の俺(19歳/素人童貞)、思い返してみると・・・・・・

彼女が出来たこと無い、女友達と呼べる存在すら居ない俺だが、今までの人生(主に高校生の頃)を振り返ってみると、「あの時こうしていたら、こう言っていたら」という場面が幾つかあったことを発見する。

 俺はネット上であったり、同性の仲良しな友達相手だったら、当然だろうがまあ淀み無く会話を交わすことが出来ると自負している。しかし現実の女相手の場合――ネットで挙げられるコミュ障のように、不自然にどもったり、会話の流れを無視した意見や話題を提起するということは流石にないが――無難な会話の域を出ない、という表現が適切だろうか。終わってから「もっと面白い返しあったなあ」と脳内で「そう返した場合」をシミュレートし、相手の楽しそうなリアクションを妄想することが多い。

原因として、それは結局勇気が出ない俺の弱さなのだ。俺のキャラに合ってないんじゃないか、とか、変な空気になるんじゃないか、無意識に浮かぶそんな不安が無難な言葉を選ばせる。結果、相手は俺に対して深い印象を持たない。そしてこう話すのだ。

「俺君かー……よく知らないけど、まじめだよね」

「そうだねー」

「……」

「……そ、そういえばイケメン君って彼女居ないらしいよ!」

「え、まじ!!」

女が或る男について真面目そうと評価を下した時、十中八九そいつを恋愛対象として捉えていない。これは誰も口に出さないが常識である。

 

こんな俺だが、こんな不甲斐ないインキャの俺だが、それでも彼女を作るチャンスはあった。高校の頃たびたび授業が重なっていたS子ちゃんは席が近かったこともあり会話も多かったのだが、正直押せばいけたと思う。ただ俺はビビってライン交換すら言い出せなかった。

「俺君、夏期補修受ける?」

「え、なんでw受けるけど」

「そっかあ(嬉しそうな顔)。よかった、知り合いとか居なかったから」

うちの高校に通う奴はインキャが多いのだが、S子ちゃんもその例に漏れなかった。たまに見かける彼女は一人で自習しているか、いつも同じ女の子と二人で食事をしているかで、それ以外の姿は印象に残っていない。

ただS子ちゃんは容姿的には優れている方だった。顔は好みが分かれるかもしれないが、俺より少し背が高く、スマートなスタイルだった。いつもジーパンを履いていた。布に覆われているものの、女性を主張する太ももとおっぱいが俺にはエロかった。

夏期補修の日、俺は上記のような会話を交わしたこともあり、S子ちゃんが教室に来るのを密かに待ち受けていたのだが、男友達が席に集まってきたせいで彼女と視線を交わすことさえ叶わなかった。そしてトイレ休憩のとき、俺は彼女と廊下ですれ違った。折角二人きりだったのだ、そこで声をかけていれば。

だが俺は目を逸らして通り過ぎた。何やってんだ? 俺は。

その後、俺は学校を何の理由もなく休みがちになり、後期はまるまるサボった。

留年。そして戻ってきた時、S子ちゃんの姿は無かった。

専門学校に行くか、センター試験を受けるか迷っていると話していた彼女のことだ。きっと何処かに進学したのだろう。だが、連絡する手段もないし、彼女は俺を忘れているだろう。

 

上記のような経験が俺には多い。中学の頃にもあった。後になって思えば明らかにフラグが立っているのに、それをモノにできない。そこが彼女作れる奴との違いなんだろう。俺の友達は彼女居ない歴年齢が多いが、概してそんな奴ばっかりである。彼女欲しいと嘆いているくせに、その機会を逃してばかりいる。・・・

 

 

俺はそんな自分を・・・大学で変えたい・・・

 

 

そして・・・